ホーム 総合 【東京パラ】 ボッチャで杉村が日本初の金 競泳の木村は銀、車いすテニス日本ペアも銅

【東京パラ】 ボッチャで杉村が日本初の金 競泳の木村は銀、車いすテニス日本ペアも銅

著者 三浦 誠司

東京パラリンピックは1日、ボッチャ個人BC2で杉村英孝(39)が、同競技で日本勢初となる金メダルを勝ち取った。競泳男子の木村敬一(30)も銀メダルを獲得。車いすテニスの諸石光照(54)・菅野浩二(40)ペアは日付をまたいだ試合で2日未明、銅メダルを手にした。

ボッチャは、選手が赤と青に分かれてボールを投げ合い、どれだけ多く自分のボールを的球(ジャックボール)に近づけられるかを競う。

個人BC2(脳原性疾患)決勝は有明体操競技場であり、日本のキャプテンの杉村と、2016年リオデジャネイロ大会王者のワッチャラポン・ウォンサ(30、タイ)が対戦。

杉村は第1エンドで2点を先取すると、その後もジャックボールに的確にボールを寄せ続けた。第2エンドから最終第4エンドまで、杉村は着実に1点ずつ加点。一方で、ウォンサに得点を許さず、5-0で完封勝利した。

「自分自身びっくり」

NHKによると、杉村選手は生まれた時から脳性まひの障害があり、19歳の時に障害者施設の職員の勧めでボッチャを始めた。パラリンピックは3大会連続でキャプテンに。リオ大会では団体で銀メダルを獲得した。現在の世界ランキングは2位。

表彰式後のインタビューで杉村は、「ボッチャ競技を始めて20年近くになるが、こんな素晴らしい舞台に立って、優勝することができた。自分自身もびっくりしているんですけど、本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と、金メダル獲得の心境を語った。

そして、「東京大会でしっかり結果を残して、さらにボッチャの知名度を上げたいという気持ちでいましたので、個人としても、こういう結果を取ることができてうれしく思っています」と話した。

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木村が3大会連続メダル

東京アクアティクスセンターであった競泳は、男子100メートル平泳ぎSB11(視覚障害)で木村が、3大会連続のメダル獲得に挑んだ。

予選は全体3位で通過。決勝はスタートから力強い泳ぎで、50メートルをトップで折り返した。

終盤は、木村とロヒール・ドルスマン(22、オランダ)の激しい金メダル争いに。木村は最後まで粘ったが、ドルスマンがかわし、1分11秒22のタイムで優勝した。木村は0秒56差でフィニッシュし、銀メダルを勝ち取った。銅メダルは楊博尊(35、中国)が手にした。

ドルスマンは400メートル自由形S11、200メートル個人メドレーSM11でも優勝しており、この日の勝利で今大会3個目の金メダルを獲得した。

木村はレース後のインタビューで、「最初の個人メドレーでメダルを取れなかったので、すごくほっとしております」と述べた。

また、「よくて銅メダルかなとちょっと思ったこともあったので、僕の中ではすごく、この種目で銀メダルというのは満足しています。まだ(金メダル獲得の)目標は達成できていないので、そこに向けてしっかりと切り替えて行きたいと思います」と話した。

木村は3日に、100メートルバタフライS11に出場する。NHKによると、木村は2歳の時に病気で視力を失い、小学4年で水泳を始めた。リオ大会まで3大会に連続出場し、メダル6つを獲得。2018年以降はアメリカに拠点を移している。

日本ペアが日付またぐ接戦制する

車いすテニスは、有明テニスの森でクアード(上下肢障害)ダブルス(混合)の3位決定戦があり、諸石・菅野ペアとイギリスのアントニー・コトリル(41)・アンディ・ラプソーン(30)が対決した。

第1セットは日本ペアが7-5、第2セットはイギリスペアが6-3で取り、最終セットに。イギリスペアが第3ゲーム、菅野のサーブをブレークしたが、日本ペアは第4ゲームですぐにコトリルのサーブをブレークバックした。

第7ゲームでもイギリスペアが再びブレークしたが、日本ペアは次のゲームでまたすぐブレークバック。その後は互いにキープを続け、日本6-5で第12ゲームに入った。デュースにもつれると、日本ペアが2ポイントを連取し、勝利を決めた。

この試合は1日午後9時前に始まったが、雨のため一時中断。屋根のあるセンターコートに移動して再開した。試合時間計3時間の接戦が終わったのは、2日午前2時1分だった。

試合後のインタビューで菅野は、「なんとかメダルが取れたので、本当にうれしいです」と涙ながらに話した。諸石は、「最後は気力で、2人の思いで勝ったなと思います」と述べた。

順位

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