世界的に有名な作曲家・プロデューサーの坂本龍一さんが、3月28日に71歳で死去した。所属事務所が2日に発表した。シンセサイザーなど電子機器を駆使した実験的音楽で、高い評価を受けた。
坂本さんは2021年、2度目となるがんの診断を受けていた。
ソロや音楽グループ「イエロー・マジック・オーケストラ」(YMO)のメンバーとして活躍。米アカデミー賞、米グラミー賞、英BAFTA賞などを受けた。
1983年には映画「戦場のメリークリスマス」で、俳優としてデイヴィッド・ボウイさんと共演。
1987年の映画「ラストエンペラー」では音楽を担当し、アカデミー賞、グラミー賞、米ゴールデングローブ賞を獲得した。中国最後の皇帝、溥儀の生涯を描いた同作にも俳優として出演した。
ドビュッシーの影響
坂本さんは1952年に生まれ、10歳で作曲を学び始めた。ビートルズやドビュッシーに影響を受けた。
1978年に細野晴臣さん、高橋幸宏さんとYMOを結成。キーボードを担当した。シンセサイザーを使った革新的音楽は、テクノポップやヒップホップに影響を与えた。
2010年には、「アジアの音楽がドビュッシーに大きな影響を与え、ドビュッシーが私に大きな影響を与えた。音楽は世界的な巡り合わせになっている」という趣旨の発言をしていた。
英バンド「Dare」と「D:Ream」のキーボード担当だった物理学者のブライアン・コックス教授は、ツイッターで坂本さんを称賛。「私の80年代の音楽体験において、彼は大きな存在だった。最初に知ったのは、デイヴィッド・シルヴィアンとバンド『JAPAN』との共演がきっかけだったが、もちろん彼は素晴らしい音楽を多数残している」とたたえた。
坂本さんは、日本では環境保護運動家としても有名だった。特に2011年の福島原発事故後、その活動が知られるようになった。
父親は日本文学の編集者で、ノーベル賞作家の大江健三郎さんらを担当した。坂本さんは子どものころからクラシック音楽を習い、東京芸術大学音楽学部作曲科に進学。在学中に民族音楽学と出会い、沖縄など世界各地のワールドミュージックに魅了されるようになった。
その後、音楽家のブライアン・イーノさん、アルヴァ・ノトさん、チェリストのジャキス・モレレンバウムさんなど、多くのアーティストと共同制作をした。娘の坂本美雨さんは日本のポップ歌手。
